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DATE: 2017/02/24(金)   CATEGORY: 秘書の査定
秘書の査定(1)
 小野田ハウスでは晩秋の十一月になると、各課で社員の人事考査の面接が始まる。面接するのは各課の課長で、社員が一斉に胡麻すりを始めるのもこの時期だ。秘書室の二人の秘書も査定者である社長の小野田に対して顔色を窺うようになる。

「社長から聞いている」
「何を?」
「人事考査の面接のこと」
「いいえ」

 小野田が出勤する前に倫子は響子に訊いてみた。ここ数日そわそわして落ち着かない倫子に響子は怪訝な顔を向ける。

 社長の小野田が出勤してきたのはそれから間もなくで、倫子はいつものように席を立つと、わざわざ彼の傍に行って微笑で迎える。そういうことは後輩の響子に任せればいいのに、相変わらずそれができないでいた。

 大卒で大手銀行勤務の経験がある響子に対し、短大卒の小さな会社の事務員あがりの倫子にはコンプレックスがあるからで、朝の挨拶と称した小野田に対する媚びの習慣がいまでも身に染みついている。

「おはようございます」
「おはよう。いつも綺麗だね」
 
 小野田がいつものお世辞で倫子を抱き寄せる。そして数秒後に倫子は小野田の腕から放れて、鞄を受け取って社長のロッカーに仕舞う。

「今日の来客の予定は」
「午前午後とも来客はありません」
 倫子は鞄を仕舞って振り向くと応えた。

「そうか…」
 小野田は呟いてから、倫子と響子に人事考査の面接を本日実施することを告げた。午前は三枝倫子、午後は片山響子になった。

     一 倫子の査定

 倫子は化粧室でパンストの伝染など秘書としての身嗜みを総点検してから応接間で控えている小野田の前に腰を下ろした。

 その彼はというと手元の書類に熱心に目を通している。書類には倫子の勤務評定から給与額、採用時の内申書等がある。そしてさらに、現在、小野田が目を通しているのは今年度の秘書検定試験の問題集だった。

「最初は身嗜みからいくか…」
 小野田は書類から顔を上げると、そういって微笑んだ。

 倫子も微笑んでからソファーから立ち上がって小野田のお傍に行く。そして彼の目に全身を披露するように身体をゆっくりと回していく。

 パンストの伝染の有無、タイトスカートの丈が規定通りなのか、腰回りの肉付きなど小野田好みの体型を維持しているのかを彼の目に確認させる。

「いいですね」
 倫子の体型が少しも崩れていないので小野田の機嫌も良い。

 その彼は手元の資料の秘書検定の接遇欄を見てから、
「では、社長室のドアからここまで歩いてきてソファーに座ってください」

「はい」
 倫子は小野田に言われた通り社長室のドアまで行き、そこから応接間の小野田の方へと歩いていった。

 モデルのように気取らずに普通の歩幅で、かつ背筋を伸ばした姿勢を保って。その倫子を眺めている小野田は満足していた。モデルのように気取った歩き方をしていたら叱りつけるつもりでいた。

 倫子は小野田の正面まで歩いて来るとお辞儀してから、前屈みにならないように背筋を伸ばして自然に腰を下した。その倫子に小野田の質問が飛ぶ。
「小野田ハウスの創立は何年?」

「平成10年4月です」
 倫子は憶えていたことを落ち着いて答えた。

「社長の名と年齢は?」
「小野田将一、42才です」

「どのような社長です」
「若手の有能な実業家です」
 小野田の顔が一瞬、綻ぶが、やがて口元が意地悪そうに歪む。

「短所は」
「それは…」
 倫子は答えていいものなのか悩む。

 その彼女に小野田はどうしても口にさせたいらしく、
「短所ぐらいあるでしょう」
と、倫子の閉じている膝と膝の間に手を滑り込ませて広げる。脚の奥のショーツが丸見えになる。それを小野田は意識して見つめる。

「…女好きなのが」
 倫子は遠慮して呟くように応える。

「あいかわらず悩ましいのを穿いているな」
「…そんな」
 倫子は顔を横に向ける。

 小野田は倫子の脚の奥から視線を戻す。
「接遇はAです。何か質問は?」
「ありません」
 査定の出だしが上々なので倫子の気分は安らかになった。

 この後、小休止を挟んでから秘書の一般教養へと進んだ。

「今年の秘書検定の問題だが、わかる範囲で応えてほしい」
 秘書検定など予想もしていなかったので倫子は戸惑って顔色まで変わった。そんな倫子の心境など忖度しない小野田は出題していく。

「今の内閣総理大臣は?」

 倫子は人名を答える。

「財務大臣は?」

 倫子は人名を答える。

「小野田ハウスの工事に関係してくる最も近い省庁は?」
「国土交通省です」

「アメリカ大統領の名と合衆国の首都は?」
「トランプにワシントンです」

「今年のノーベル賞を受賞した日本人名とその学問は?」
「…わかりません」
 倫子は教養のなさをお詫びした。

「テレビは観ないのか?」
「視力が落ちるのであまり見ないようにしています」

「眼鏡を掛ければいいだろう。接待でその話題になったらどうする。まあ、建設関係の親父にそんな話題なんか出るはずもないが」
 小野田はそこでため息ついて、
「慣れないことをするから喉が渇いてしょうがない。珈琲を頼む」

「はい」
 倫子はソファーから立つとお辞儀をしてから厨房へ行く。その彼女も緊張のため息をついてから珈琲を淹れていく。これまで様子を見ていた響子も厨房に来て手伝ってくる。

「きびしいのね」
 響子が囁いてくる。倫子は小野田の目があるので響子に応えることなく黙って淹れていく。
「がんばってね先輩」

「…わかっている」
 倫子は淹れた珈琲を持って応接間に戻った。小野田の前に珈琲カップを置き、自分の席に腰を下ろした。小野田はその倫子に目をくれないで出題のコピーを見ながら珈琲を口にしていく。



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