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秘書 響子(21)
 二、響子の出動

 研修が終わって帰宅した響子は翌日、無断欠勤で会社を休んだ。社長に抱かれてお潮まで吹かされて逝った後では、とても恥かしくて顔を合せる勇気がなかった。本当は数日間休みを取りたかったが、夫に怪しまれるのと新人であることから、一日だけにした。

 そして次の日、少し遅刻して出勤すると、倫子が傍に来て、

「わたしも社長に抱かれた次の日は休むの。…女はそれでいいのよ」

と肩に手を置いてきた。すべてお見通しの倫子に響子は言葉がなかった。 

 その後、響子は倫子と一緒に部屋の掃除を済まし、社長好みの珈琲の淹れ方を教わった。
 小野田が出勤してきたのはそれからまもなくで、響子は珈琲を淹れてから社長の席へと行った。そこで無断欠勤のお詫びをし、淹れた珈琲を社長の机に置いた。

「ずいぶん綺麗になったな。誰に磨かれたんだ」

 小野田は女を喜ばすためのお世辞を忘れない。響子はよほど『夫ですと』と白けさせようとしたが社交辞令で、

「どこかの悪い社長さんです」

と顔に皮肉の笑みを湛えた。

 小野田のいうとおり響子の顔が美しく艶っていた。女は身に重大な事が起きると化粧をがらりと変える習性がある。響子の場合はアイシャドーで目尻をすっきりとさせ、口紅を淡い赤色からワインレッドにしただけだが、それがとても似合っていた。

 椅子に座っている小野田は響子の腕を取る。

「あんなに感じて悪い人妻だ」

 そう言って響子のブラウスの柔らかい胸に顔を押し付けて抱き寄せた。

 そうして小野田は響子の迷いと不安を払拭し、自分や会社にとって大切な女であることを態度で伝えていく。改まった態度よりも、いつもと変わらぬ女好きな社長であることが、響子を安心させることを小野田は知っている。

 響子は目を閉じて身を任せていたが、パーテーションだけで隔てている秘書室の倫子のことが気がかりで、これまで下していた手を小野田の肩に置いた。

「…社長さん」
「…仕事をするか」
「はい」

 小野田は響子を放した。響子も自分の席に戻った。

 午前中はそんなことで仕事らしい仕事をしないままずるずると時間を浪費したが、午後は一転して東洋地所を攻略するための社長室での営業部と開発部を交えての会議となった。

 響子は倫子と一緒に人数分の珈琲を淹れてから応接間に行き、小野田の隣に腰を下した。正面には各部長と課長。一同が揃ったところで小野田が会議の目的を次のように説明した。

「東洋地所は老舗の大手不動産会社で、開発事業は血縁関係のある系列会社で固められている。その一角を崩して仕事を取るのは容易ではない。営業や開発で何かいい方法があれば意見を聴きたい」

 それについて営業部からは、通常の営業活動として本社と支社を隈なく巡り名刺を交換して様子を見る。開発部からは『蛍の里、住宅建設』現場に赴き、住宅の品質を詳細に調べておくということだった。

 小野田にすればどれもこれも月並みな意見だった。だからといって駄目ということではなく必要な前哨戦でもあった。通常の営業活動を差し置いて、いきなり美人秘書の出動というわけにもいかない。

 小野田は営業部には通常の営業活動を指示し、開発部には建設中の住宅の調査を秘かに進めるように命じた。



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