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秘書 萌美(1)
   一、新人研修

 都内の中古マンションの一室から一人の若い女が出勤しようとしている。
 先ほどまで春の日射しを部屋に注いでいた窓はカーテンが締められ、クローゼットから出された新調したスーツがベッドに投げ出されている。

 女は下着姿のまま、狭いワンエルの部屋の隅から隅まで探し物でいったりきたりしていたが、そのお目当ての物が見つかると、ようやく新調したスカートスーツを持って姿見の前に立った。

「あと十五分で部屋を出ないと…」
 女は服を脱いで下着姿を鏡に映しながらブラウス、スカートと身に着けていく。

 さきほど女か探していたのは入社試験を受けた会社からの採用通知で、差出人は小野田ハウス社長の小野田奨一、宛先は新海萌美となっている。

 萌美はこの一月の間、目まぐるしいほどの多忙な日を送った。これまで勤務していた大手商事会社への退職届の提出、それにともなっての会社の同僚との送別会や女子会に追われた。

 その同僚の中でも身体の関係まで発展している彼氏からは秘書になることについて猛烈に反対された。彼は社長秘書という職業が信用できないというのだ。直属の上司である社長や専務等のお偉方から身体を求められるから、というのがその彼の言い分だった。
 
 萌美はその可能性をまったく否定するつもりはなかった。秘書でなくても会社という組織の中で男女が接していれば少なからず付き合いが始まり、やがては肉体関係まで発展するのを排除できないのは男女の常であり、秘書に限ったことではなかった。

 ただ萌美には、それを憂慮しても高級優遇の社長秘書にならざるをえない理由があった。それは一流商事会社に三年も勤務していても、未だに大学生の時に借りた奨学金の返済に窮しているからだ。

 マンションの家賃が十万円に奨学金の返済が月々三万円は勤続三年の給料でもきつかった。それが倍以上の給料になる社長秘書になれば、奨学金の返済はもとより貯金までができる。そのために秘書検定の準一級まで取得していた。

 萌美は姿見の前で新調したスカートスーツに着替えるとマンションの部屋を出た。

 駅へと向かう街路を萌美は軽やなヒールの音を響かせて行く。街路樹の葉は萌美の初出勤を祝うかのように春の陽光に輝いている。

 その輝きにも増して萌美のタイトスカートから露出している美脚は眩く、ボタンを外したスーツの上着からはブラウスの胸が誇らしげに突き出している。



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