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物語とエロスが満載のブログです。
秘書 萌美(46)
 萌美は午後一で会社を出た。

 街は真夏の日射しが降り注いでいる。今日で連続四日の猛暑日だった。萌美の服装も涼しく、ブラウスは胸が開いた淡い水色で、スカートも下着の線が辿れるほどの生地の薄いタイトスカートになっている。

 嫌らしいとか女の屈辱とか騒いでいたわりには、本人が身に着ける服装は男に抱かれるたびにセクシーになっていく。

 萌美は途中、百貨店に寄り、菓子折りを購入してから電車に乗る。空いているので痴漢の心配がなく、その分、気も緩んでうたた寝までする。

 地下鉄を二回乗り換えて、京葉電鉄本社の最寄りの駅で降りる。時刻は午後三時を過ぎていた。萌美は小走りしてテナントビルに入った。前回と同様、今日もプレミアム・フライデーだった。早くしないと輝彦は退社してしまうかもしれない。

 エレベーターに乗り、二十三階で降りる。まだ受付には女性がいて、輝彦に面会を申し出る。幸いにも彼は在席で、事務所の通路を萌美は急いでいく。

 部長室の前で萌美は呼吸を整えてからドアをノックした。ドアの向こうで輝彦の声がする。萌美はドアを開けて入り、彼の顔を見つめて挨拶とご指名のお礼を言う。

 そして数歩進み出てから菓子折りと礼状を応接間のテーブルに置いて、ふたたびお辞儀をしてから退室すべく踵を返し、ドアの方へと歩いていく。

「冷たい女だ」

 背後から輝彦の声がしたと思ったら、腕を掴まれて引かれた。萌美は輝彦に腕を掴まれたまま部屋の奥へと連れていかれる。応接間まで来たところで抱き締められる。

 萌美は胸に両腕をやって身体を放そうとするが、その腕を強い力で下ろされ、そのまま抱き締められる。

 萌美はこうなることをまったく予想しないわけではなかった。だから、要件を済ませたらすぐに退室しようとした。けれども輝彦の方が全てにおいて萌美に対する思い入れが強かった。

「指名だけで満足するのですか。ここまできたら契約まで頑張ったらどうです」
 輝彦は抱き締めた萌美の項に熱い息とともに言葉を囁く。
「…もう、あんたを放しません」

 輝彦はその二言を囁くとさらに萌美を強く抱き締めた。彼の体温が押し潰された乳房を介して萌美に伝わっていく 。

 午後の三時半にはお茶入れの女子も退社するのがわかっているのか、輝彦は萌美を放すことなく、堂々と抱き締めている。

「放してください」
「逃げませんね」
「はい」
 萌美はようやく輝彦から解放された。

 その萌美の返事を待って輝彦は部長室を出る。その彼の後を萌美もついていく。輝彦は事務所を出、エレベーターで地下駐車場に行く。そしてレクサスに乗る。萌美も逃げないと約束した手前、助手席に乗る。

「今日は江の島までクルージングしましょう」
 輝彦はそう言ってレクサスのエンジンを掛けた。

 輝彦のご機嫌は最高だった。それもそうだろう。愛撫の続きを約束した美人とドライブしてから、クルーザーで二人っきりのグルージングまでできるのだ。これ以上の楽しいことが男にあるのだろうか。

 一方で萌美はというと楽しいわけではないが、そうかといって不快でもなかった。その曖昧な心境は今夜も以前のような背徳な快楽が待っている、という肉体が秘めた期待感からきている。その心と身体のせめぎ合いが萌美の心境を複雑にしていた。 


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