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物語とエロスが満載のブログです。
秘書 萌美(70)
 天気は秋よりも晩夏のほうが変りやすい。スタートのホールのときは空に雲がポツンと浮かんでいただけなのに、最終ホールを終えたときには空一面を覆っていた。そして、カートでクラブハウスへの帰途に着くときにはフードに雨滴が落ちてきた。

「午後は中止にしましょう」
 輝彦が顔を空に向けて言ってくる。

「このぐらいでしたら、大丈夫です」
 萌美は乳房の疼きを我慢して返す。小雨ぐらいだったらプレーの続行は可能だ。このていどで単価表を諦めるわけにはいかない。クラブハウスに戻ったら、駅前の百貨店でスポーツブラを買って、午後のコンペで逆転できる。

「我慢するのはやめなさい。身体を壊しますよ」
 萌美の乳房の疼きを知らないはずの輝彦がそんなことを言ってくる。

「胸の大きい女は血行が悪くなると、疼きでつらい思いをするんです。母がそんな感じだった」
「そうなんですか」
 萌美は思わず輝彦に訊いた。

「ブラが合わないから張ってつらいと、良く父に揉ませていたらしいです」
 輝彦がそう言って片腕をハンドルから萌美の腰へと延してくる。

 萌美は輝彦の作り話ではないかと疑う反面、スポーツブラの圧迫が血行を悪くしたのではないかと思う。その上にノーブラでの乳房への強打だった。

「温泉に入ってほぐしてあげますから、午後は中止にしましょう」
「…結構です」

 萌美の腰に回されていた彼の手がポロシャツの突き出しを包み込んでくる。萌美はその手を拒むことができない。その遠慮が揉みしだきを誘う。それによって疼きが和らぎ、抗いの気力がなくなっていく。

「これでいいんです。これで…」
 輝彦はそう言い、抗うことをやめた萌美を抱き寄せて、カートを運転していく。クラブハウスが近くなる頃には萌美の乳房は輝彦の手にゆだねられていた。

 医学的な能書きによる輝彦の執拗な乳房への愛撫。

 クラブハウスに着いて萌美がカートから降りようとすると、足元がおぼつかなく輝彦に抱き支えられた。つづいて慶太のカートから倫子も彼に手を取られて降りてくる。

                       ******

 クラブハウスに着いた秘書たちは更衣室でシャワーを浴び、乱れたお化粧を直してから昼食の会場に向かった。

 会場のレストランのテーブルには大勢のプレーヤーが席に着いていた。その中の窓際の席に輝彦たちが待っていた。

「ごめんなさい。お待たせして」
 倫子たちは待たせたことへのお詫びをしてからテーブルに腰掛けた。

 昼食は午後のプレーに影響しないように量を控えめにする。その分、輝彦たちはプレーに影響しない程度にビールを飲んでいて、秘書たちのグラスにも注いでくる。

「調子が良くなったからコンペは勝ちますよ。温泉旅行は楽しませてもらいますからね」
 輝彦と慶太は余裕の顔で宣言する。

「そうはさせませんから。萌美さんに頑張ってもらいますから」
 倫子が応酬する。

 あの胸でどうやって頑張るのか、お偉方の目は萌美のホロシャツに注がれる。シャワーをしてから普通のブラを着用してきたのかシャツに薄っすらとブラのラインが辿れる。

「ゴルフ用のブラをしないと無理でしょう」
 輝彦が萌美の胸を見つめて言ってくる。

 男が女の下着のことを口にすると、それが好意的であってもいやらしさを感じる。とくに輝彦にはそれが濃厚に。萌美は艇でのことを思い出した。これで宿泊の温泉旅行にでも行ったら、いったいどんないやらしいことをされるのか…。

「萌美さん、ブラを買いに行かないと…」
「そうね」

 その倫子の促しに、萌美が席を外そうとしたときだった。クラブハウスのスタッフ二人がレストランに現れると、二方向に分かれてテーブルで雑談しているプレーヤーに話しかけていく。 話しかける方も訊く方も不安な顔をしているので、倫子たちも気になる。

「何かあったのか?」
「北朝鮮のミサイルでも落ちたのか?」

 輝彦と慶太はそんなことを笑いながら話す。

 スタッフの一人がゴルフ場のオーナーでもある社長の慶太を見て、あわててこちらに来る。

 スタッフは慶太にお辞儀をしてから、
「雷注意報が出ましたので、午後のプレーはご注意ください」
と、それだけを告げて、慶太にお辞儀してから隣のテーブルへと移った。

 お偉方も秘書たちも窓の外を見ると雨は止んでいる。雲も厚くなく薄日が地上に差している。それでも、お偉方にとっては絶好のチャンスだ。
「危ないから午後は中止にしましょう。勝敗は僕たちの勝ちということで」
と、二人とも口を揃えて言ってくる。

「雷に注意しながらプレーをすればいいでしょう。見てください。皆さんコースに出ていきますから…」
 萌美がそこまで口にしたときだった。倫子が萌美の手を取ってレストランの外れに連れていく。そこで萌美は倫子に諭される。

「ここは京葉電鉄の勝ちにしましょう。これも接待ですから」
「それでは単価表が」

「しかたがないわね」
「そんな!」

 萌美は室長の諦めの良さに泣きたいくらい悔しかった。単価表は別にしても、これで温泉旅行に行ったら輝彦にどれだけいやらしいことをされるのか…。いくら室長の判断でも萌美の気持ちは怯む。

 秘書たちは席に戻ると、このまま承諾することに多少の抵抗を見せたく、
「わかりました。でも温泉旅行は秋になるまで延ばしてください」
と、彼らを牽制した。

 秘書たちが相談している間に、お偉方もそれなりに考えていたのか、意外な譲歩をしてきた。
「親父の夢なんですよ。あんたたちのような美人の秘書さんと温泉に行くのが。その代り単価表のコピーを差し上げますから」
と、輝彦が言ってきた。隣の慶太も上出来の息子の提案に顔を縦に振ってくる。

 その彼らの譲歩に秘書たちは顔を見合わせた。勝敗にこだわる理由がなくなってしまったからだ。


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