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秘書 萌美(79)
 そういう邪悪な緊張というものはなんとなくわかるもので、男たちの顔や雰囲気に現れてくる。そんな時間がしばらく続いてから、突然、輝彦が席を外して車のトランクから単価表のコピーを持ってきた。そして、宴席から少し離れた座敷に床の間から椅子を二つ持ってきて置き、その一つの上に単価表を置いた。

「残りの単価表二十枚分です」
 輝彦は倫子と萌美の顔を交互に見つめてから言ってきた。

「どうです。明日といわず今夜でも残りの単価表を頂くのは」
 輝彦が倫子を見つめて薄く笑う。

「それは願ってもないことですけど、条件がありそうね」
 倫子は輝彦に微笑で返す。

 輝彦は単価表を掴んでぺらぺらと捲り、
「女の力で奪い取るんです。男が喜ぶ女のサービスで、この単価表を奪うんです」
と、倫子を見つめて言い、閉じた単価表をポンと叩いて宴席に戻った。

「女の力ね…男が喜ぶ…ふーん」
 倫子は呟きながら、戻ってきた輝彦を見つめてから、萌美に視線をやる。

 萌美はいかにも輝彦らしいやり方だと思った。でも、室長はすでに慶太に抱かれているし、自分も輝彦に抱かれている。なのに、いまさら女の色気が通用するものだろうか。 

 そういう疑問を女たちが抱いているのがわかっている輝彦が秘書たちに説明してくる。
 「貴方たちは稀なる肉体がある。見せ方ひとつでセックス以上の興奮を男にもたらすことができるんですよ。とにかく秘書室長、まずは試しにどうです」

「そうね…」
 倫子は小さく頷く。そして、浴衣の衿を整えて席を立ち、単価表のある椅子の傍へと行く。

「…若くはないのに。わたしの裸かなんか」
 倫子はそんなことを何回も呟いてから浴衣の衿を広げると、ブラの右のカップを外して乳房を露わにする。さらに帯を緩めて裾を広げ、ショーツを陰毛が見えるまで降ろして目を閉じて、肢体をだらしなくだらりとした。

 その倫子の姿は、しつこい顧客から逃げてきた旅館のコンパニオンを彷彿とさせた。
「室長、素敵よ!」
と、萌美は声をあげた。

「うん、なかなかいいぞ」
と、慶太も唸って、拍手した。

 その慶太の拍手につづいて、輝彦は一言、
「単価表、三枚、持っていけ」
と言い、盃の酒を口に呷った。

 倫子は浴衣の衿を整えて席に戻ってくると、たったの三枚なのと不満を漏らしてから、
「つぎは新海さん、貴方よ」
と、輝彦の盃にお酒を注いでいく。

 この宴会の盛り上げ方は小野田の真似をしたのだろう。彼は女を使った接待方法については天才肌だ。その能力があるからこそ、ビールも注げない不器用な萌美でも、男好きのする女体だけで秘書として通用している。萌美はそんなことを思いながら慶太の傍から舞台になっている椅子の方へと行く。


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