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物語とエロスが満載のブログです。
秘書 珠代(12)
 造成地の視察が終った後、小野田ハウスの一行は最寄りの駅で昼食を摂ってからホテルに戻った。

 時刻はまだ午後の三時前で室長は部屋に入るなり「寝不足うぅぅ!」と叫んでベッドに体を投げ出した。珠代は接待の研修まで時間の余裕があるのでワンピースに着替えると散歩に出た。

 ホテルから海岸へ通じる道に出ると海からの強い風に迎えられた。珠代は乱れる髪を手で押さえながら松林の中の一本道を歩いていく。 

 海からの潮風は正面から吹いてくるのでワンピースが体に貼りついてくる。この無地のミニワンピ―スは普段、風呂上りに着るもので夫のお気に入りだった。まるで妻を犯しているみたいだと言い、乱暴にワンピースを捲り上げて下着を毟り取り、キッチンのテーブルに乗せられて挿入されることもあった。

 そのワンピースが珠代の肢体のすべてを映しとっている。

 珠代は腰に貼り付いている生地を指で剥がして歩くが、絶えず吹いてくる潮風に勝てるわけがなく諦めて、貼り付かせたまま海岸へと歩いていく。

 小道は乾燥した砂地で歩くたびにサクサクと音を立てる。左右の松林が潮風に枝を騒がせている。その林の陰にはたくさんの松ぼっくりが落ちている。珠代はその一つを拾い、鱗片を毟りながら海へと歩いていく。 

 海岸に出ると風は強くはなかった。沖で海が呼吸してその息が届いてくるような穏やかな潮風で体に貼り付いていたワンピースも剥がれて爽やかに靡く。

 ただサーフィンに興じている若者が海も浜辺も占領していて珠代は少しがっかりした。けれども不機嫌になるほどではなく波打ち際をワンピースから露出した美脚で歩いていく。打ち寄せる波は縺れて泡立ち、砂浜を舐めるように珠代の足元に滑りこんでくる。

 珠代の美脚が向かう先にサーフボードを抱えた若者が屯している。波打ち際にいる男もいれば、砂地に立っている若者もいる。その彼らの視線が珠代の方へと向けられてくる。

 若者の一人が言う。
「いい女が来るぞ」

 もう一人の若者が返す。
「このへんにはいない女だな」
 
 それで他の若者の視線がこちらに向かって来る珠代に注がれる。

 さっきまで良い感じで靡いていたワンピースがふたたび強くなった潮風で珠代の体に貼り付いてくる。それも股の間に生地が食い込むほどで、淡いベージュの生地に女の形が浮かびあがっている。

 その女体の線を露わにした珠代の姿に若者が引いて、
「コレの姉さんぽいな」
と、顔に指を当てる。

「ああゆう女は目で犯すだけでいい」
 もう一人の若者が言う。

「いま指を入れた」
「俺は二本入れて潮を吹かせた」
 もう二人の若者が野次に乗って皆を笑わせる。

「お姉さん、オマンコさせてよ」
「好きって顔に書いてあるよ」

 若者たちの卑猥な言葉が珠代に投げつけられる。しかし珠代の耳には笑い声たけが届いてくる。珠代は早歩きして彼らの前を過ぎていく。

 それでも珠代は彼らを軽蔑しない。精力が漲っている男の餌食になるのは女の値打ちがあるからだと思うようにしている。幸いにも珠代には女の優しさと美貌が備わっていた。だから夫のようなキャリアの公務員の妻にもなることができ、可愛い娘まで授かり幸福に生きてこられた。その夫も亡くなったいま、珠代が娘を養って生きていくためには女の美貌と向き合い、磨きをかけていくしかなかった。

 珠代はいつのまにか防潮堤の前まで来ていた。

 岩を積み上げて築造された防潮堤は沖へと延びている。珠代は岩の隙間に足を入れて防潮堤に上がり、平らな岩積みの上を海の沖へと歩いていく。

 いっそう強くなった潮風が珠代の体に当るようになりワンピースが脚と脚の隙間にも入りこんでくる。珠代の女の部分に生地がぴっちりと貼り付いている。

 防潮堤の先端には1人の男がいる。釣りをしているのか、海を眺めているのか目的がはっきりとしない。もし、その男が何回も振り向いてくるようならば珠代は引き返すつもりでいた。こんなに遠く離れているのに何回も振り向くというのは社会の常識も自尊心も捨てた恐い男に思えるからだ。

 珠代が防潮堤の中ほどまで来たときその男が振り向いた。

 でも、振り向き方が淡泊だったので珠代は足を止めなかった。防潮堤の先端にはブロックが積み上げられていて、ペンキで何かの絵が描かれている。珠代はその絵にも興味があった。

 珠代が先端まで行ったとき初めて男の正体が明らかになった。積み上げられたブロックは防潮堤を延長するためのものであり、男はブロックにペンキで仏像の絵を描いているのだ。年齢は二十代の後半だろうか、いかにも重量物のコンクリートブロックと向き合うようなガッチリとした体形をしている。

「海で遭難した漁師を弔うために描いているんだ」
 その男は先端まで来た珠代に日焼けした顔を向けて説明すると、堤に胡坐をかいて座り、仏像の手の部分にペンキを塗りこんでいく。

 珠代は黙って見つめていたが、どうしても質問したくなって男の傍にいった。
「仏像さんを描いたブロックも、いずれ海に沈むのでしょう」

「そうだよ。だから県の港湾局も許可をしてくれたんだ」
 男はそう返してきたが、口を閉じてから珠代の体を眩しそうに見つめてきた。

 珠代は浜辺に引き返そうと体の向きを変えようとしたが、思い直して体をそのまま男の視線に預けながら尋ねた。
「いつからブロックに絵を描いているの」

 男は珠代の体を遠慮なく見つめても傍にいるので、彼女の心理を量りかねたのかペンキの筆を手から放すと、
「こんげつ」
と、ぼそりと言ってから、色の異なるペンキでブロックの仏像に塗り込んでいく。

 珠代も踵を返して浜辺へ戻ろうとした。そのとき男に手を掴まれた。珠代はその手を引いた。けれど男の方へと引かれていく。

「…はなして」

 珠代は抗いの言葉を口にするが、男の強い引きに胡坐の中まで引き込まれる。そして合理的で素早い男の動きが珠代のワンピースを捲り上げると赤銅色に日焼けした顔が美脚の付け根に押し付けられた。

 珠代は男の大胆な行動に身がすくんで動くことができなかった。堤に胡坐で座り込んだ男の顔が股に押し付けられたまま腰を抱き締められていた。

 男は珠代の体をまさぐるわけでもなく、ただ一途に顔を女の股の中心に押し付けていた。

 珠代は防潮堤に飛沫を上げる潮騒を耳から逃さないようにした。それを聴くことだけが、男の行為から気を反らす唯一の手段だった。

 それからどのぐらいの時間が経ったのか珠代はわからない。ともかく二人の頭上にある雲の形が変わっても男の顔の押し付けは微動もしないで女の部分に押し付けられていた。

 その卑猥さと男の口の感触に珠代は女の反応を抑えることができなかった。ワンピースの中に潜っている男の頭を掴んだまま、腰をヒクヒクと痙攣させていた。また、男もその珠代の敏感な反応に昂奮していっそう顔を押し付けてくる。
 
「…ぁぁ」

 とうとう珠代の口から小さな声が漏れた。腰の奥に溜っていた熱いものが堰を切らして流れていく。
 
「もう、やめてぇ、おねがい」
 珠代は男の頭を掻き毟りながらお願いする。

 その珠代の哀願を男は聞き入れるつもりはなく、さらに顔を押し付けてくる。

 珠代はこのまま男にショーツを脱がされ、犯されるのを覚悟した…。

 その珠代を男が放したのは彼の意思ではなく天候の急変だった。俄かに頭上の雲が怪しくなり、沖に白波が立ったと思ったら、海のうねりが防潮堤に打ち当り飛沫が二人の所まで届いてきた。

 男の顔が不意に珠代の股から放れた。

 珠代は反射的に男から体を放し、わき目も振らずに防潮堤を浜辺へと小走りした。男の長い時間に及ぶ女の部分への接吻で珠代の足が浜千鳥のようにふらふらとしている。


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