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物語とエロスが満載のブログです。
秘書 珠代(29)
 五月の連休が過ぎ、街路には夏を思わせる日射しが照りつけている。通勤者の服装も春と夏が混在してカラフルな色になっている。

 地下鉄の最寄りの駅を降りた珠代は街路を会社へと急ぐ。スーツのボタンを外した胸にはブラウスの突き出しが眩しい。

 珠代は時折、急ぐ足を緩めてはブラの感触を確かめている。今朝からカップのサイズをCからDに変えている。今、流行りの寄せブラなので男たちの視線が気になってしょうがなかった。そのDカップも緩くはなく、むしろきついくらいでぴっちりとしている。

 …いやらしい。

 珠代は呟く。もともとCではきつかったのでDに変えるつもりでいたけれど、社長に抱かれてからさらに乳房のボリュウムが増している。

 …ホルモンの分泌が良くなったのかしら。

 珠代はテナントビルの前で微笑んでから中に入った。エレベーター前は出勤してきた社員たちで溢れている。

 すぐにエレベーターが降りてくる。扉が開き背後から押されるようにして乗り三十三階で降りる。小野田ハウスの事務所に社員たちと一緒に入った。

 広い事務室のあちらこちらで朝の挨拶が交わされている。

 珠代は事務室を早足で通り過ぎて社長・秘書室のドアを開けて入る。

「おはよう」
「おはよう」

 朝のご挨拶を萌美と交わしてから掃除と文書の整理を分担して済ませていく。それが終わるころに事務室をこちら向かってくる硬質の靴音が聴こえてくる。室長の倫子でドアを開けるなり、
「社長、くるわよ」
と、お決まりの文句で二人を急かしてくる。

 社長の小野田が姿を現すのはそれからほぼ5分後で倫子は化粧と身なりを確かめ、萌美と珠代はパンストの伝染をチェックして小野田を迎える。

 小野田が現れると倫子が身を寄せるようにして迎える。二人の秘書は小野田に挨拶をしてから席に座って二人の方を見ないようにする。倫子が小野田に朝の挨拶代わりに抱擁されるからであり、二人は気を効かして仕事をしている振りをする。

 抱擁といっても倫子が小野田の背広や鞄を受け取ってロッカーに仕舞うまでの間だが、その短時間に二人の体が割り箸のように一体となっては離れ、また一体となっては離れるのを数回も繰り返す。その一体のときには倫子はお尻と女の部分まで預けている。

 今でこそ珠代は気を利かせて見ないようにしているが、それまでは過激すぎる朝のスキンシップに胸を動悸させていた。

 その倫子が室長の席に着くと珠代は厨房に行って小野田の朝の珈琲を淹れる。好みが厳しく珈琲の淹れる温度まで決められている。いまでこそ温度計無しで淹れられるようになったが…。

 そうしてこの日、珠代は淹れた珈琲を盆にのせて社長の席に行った。

 朝の挨拶は済ませているので、珠代は珈琲カップを机の隅に置いた後、今日の来客と会議の有無を記したメモを読んでいく。そしてご報告が終わり、社長からの伝達事項を待つ。

「来週にでも東洋地所に指名参加の書類を持っていくから準備を頼むね」
「はい」
 珠代は返事をする。

 東洋地所は研修先のオープンハウスで抱き寄せてきた佐伯部長のいる会社で、産休の響子から引き継いだ担当の会社でもある。

「そういえば夏の蛍祭りも約束していたな」
「…はい」
 珠代は少し遅れて返事をした。オーブンハウスの二階で抱き寄せられて、無理やり約束させられたのだ。

「ブラを替えたのか」
 突然、小野田が訊いてきた。視線が珠代のブラウスの突き出しに注がれている。

「きついので上のサイズにしました」
 珠代はそう言って見つめてくる小野田から顔を逸らした。

 珠代は朝の挨拶も伝達もそして珈琲淹れも終えている。だから自分の席に戻ってもいいのに、なぜか珠代のハイヒールの靴先が席に戻ることをしない。まるで小野田の見つめてくる視線の先の出来事を期待しているかのように動かないでいる。

 顔は背けているのに胸も腰も小野田の方に向けている。それがなぜなのか珠代自身もわからない。

 いや、わかっている。研修で抱かれてから一度も身体に触れられていない。肉体本位に言い換えれば女の欲求を目覚めさせておきながら無視されている。毎朝、室長との抱擁を見せつけられているのに。

 …未亡人を抱いた責任をとって。

 珠代は貞淑な女に戻ったつもりなのに脳裏では女の不満を呟いている。

 その不満が通じたかのように小野田の腕が腰に回されてきた。珠代はもちろん拒みこそしないが身を預けることもしないで顔を背けたまま黙っている。
 
「抱いたことをまだ怒っているのか」
「…もう忘れています」

「それはよかった」
 そう珠代に返した小野田の手は目前に突き出された真っ白なブラウスのボタンに指を掛けてくる。

 傍で佇んでいる珠代のハイヒールの足を椅子に腰かけている小野田の脚が囲い込んでブラウスのボタンを外していく。

 そして三つのボタンが外れると肌白の胸が現れる。寄せて盛り上がった乳肉が深い谷間を形成して思いっきり突き出されている。



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